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安いニッポン

2021年6月13日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

以前、「日本はもはや後進国である」という記事を書いて、日本が世界における経済的存在感を落とし続けいるという問題を取り上げてきました。

その中でのソフトバンク社長の孫正義氏の以下のような指摘に愕然とさせられました。

「日本は『昔、豊かだったが、今、貧しくなった』のではなく、日本はもともと貧しく、80年代に豊かになりかかったものの『再び貧しい時代に戻りつつある』というのが正しい認識と言ってよいだろう。」

今回は、そのこと再確認するために、私たちにとって最も身近なモノの「価格」示す日本経済の停滞について書かれた「安いニッポン」という本をご紹介します。

本書では、ここ30年の間にグローバル経済に参加する多くの国が軒並み適切な率でのインフレを経験してきている中で、日本だけがあらゆるものの価格(賃金も含む)が全く上がらないデフレを経験し続けたという事実を、ディズニーリゾートの入場料やホテルの宿泊費、それからダイソーで100円で買える品ぞろえの良さなど実際の事例を突き付けられることによって、改めて受け止めることができました。

ただ、日本国内では、この「安さ」を絶対善としてとらえる人が少なくないことも事実です。

「良いものが安く買えることがなぜ責められなければならないのか」、実際この感覚自体は一見するとおかしなものではない様にも見えます。

もちろん、その「良い」ものが「安く」買えることがこれからもずっと続くのであれば、それは絶対善といえるかもしれません。

ですが、本書では以下のような指摘をしています。

「多くの人は価格が安ければ幸せだというかもしれないが、それは違う。企業からすると、せっかくおいしいチョコレートを作れそうないいアイデアが浮かんでも、商品化のための初期コストがかかるので、『おいしいチョコを作れても価格が据え置きなら元がとれない』と商品化を諦めてしまう。海外や高度経済成長期の日本ならば、企業が競って積極的に良い商品を作り、価値に見合うように価格も挙げて成功を収める。でも今はステルス値上げのように『どうやって小容量化するか』の研究が重要視される。これでは日本企業の挑戦心を損なわせてしまう。」

しかも忘れてはならないことは、日本は資源の少ない国であるため基本的には加工貿易を産業のメインに据える必要があるということです。

その様な国が、商品開発で他国よりも良いものを作ることで相対的に高価格で売ることができなければ、材料を仕入れ(輸入)することさえ難しくなっていきます。

そうなると、日本人の労働者への支払い賃金の原資も確保することができず、労働者も消費者であることを考えると、すべての経済活動が小さくなっていくしかありません。

つまり、日本において「良い」ものが「安く」買えることがいつまでも続くことはあり得ない、現在の「安いニッポン」は確実に「サステイナブル」ではないということです。

このことを捉えた実に辛辣な一言がありました。

「企業や労働者が誰も報われないことをやっている悲しいニッポン」

勇気を出して、知恵を絞って、「安いニッポン」を「悲しいニッポン」につなげないようにしていかなければなりません。

 

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