代表ブログ

愛は脳を活性化する

2020年7月17日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

言語学習について詳しく知ろうとすると、当然ですが「脳」を無視するわけにはいきません。

ですが、私たちが「脳」について考えようとすれば、「脳」自身が自己分析をすることになるので、なかなか明確な理解を得ることはできません。

自分のことが一番分かりにくいというやつです。

私は語学学習に関する「書籍紹介ブログ」を継続していますが、その多くに「脳」についての記述があります。そして、それらの書籍に共通して引用される「脳科学」に関わる一冊の本があります。

それは、「愛は脳を活性化する」という本です。

まず、本書の冒頭では、「脳を知る」ことの意味を次のように定義しています。

「脳は情報処理のアルゴリズムを自動的に獲得するシステムである。そのため、一般的には『脳を理解する(知る)』とは、『脳が獲得したアルゴリズムを知る』ことである。」

ただし、そのアルゴリズムを知ることだけでは、脳の表面的な理解にとどまってしまいます。言語はアルゴリズムだけではなく、その背景にある「感情」に深く関係しているので、表面的な理解だけでは太刀打ちできないからです。

その背景にある「感情」の部分にまで脳科学的に言及しようというのが本書の目的ですので、以下に脳と人間の感情、そしてそれがもたらす人間としての成長の流れをポイントごとに引用してまとめたいと思います。

まず、脳が現在のコンピューターと最も大きく違う点について記述されている部分。

「脳は柔らかい情報処理を行えるが、コンピューターは固い情報処理しかできない。つまり、コンピューターはプログラムに書かれていないことには何の対処もできないが、脳は不完全であったり曖昧な入力情報に対しても、入力情報が自分にとって重要であると積極的に価値判断をすることによって、また必要に迫られて出力を出さざるを得ないようにすることによって、何らかの答えを作り出すことができる。」

次に、そのような脳が「感情」を作り出す様子について記述されている部分。

「脳は主観的な情報処理システムである。そして、自分の狭い経験の中で作った内部世界をもとに出力し、外界に対処するので、他人のふるまいをなかなか理解できない。そのため、その内部世界からの出力が他人に受け入れられなかったり、ましてや他人から否定されるようなことがあれば、相手が誤っていると考えがちになる。人は、自分の内部世界では解決できない、太刀打ちできない事柄に遭遇すると、『苦しみ』とか『悲しみ』または『怒り』といった感情が誘起され混乱しがちである。」

なるほど、非常に分かりやすい説明だと思います。

ただし、人間の成長というのは、これらの感情を乗り越えることでなされるわけで、そのあたりについて記述されている部分もありますのでそちらも引用します。

「これらの困難や苦しみは、私たちの内部世界を広げるために必要であることを脳の原理から知るべきだろう。例えば、人は困難や苦しみを避けがちであるが、それらは人同士が分かり合うために体験しておくべきことである。身体の痛みと同じく、精神的な痛みには、今まで作り上げた精神状態に対する警報装置という意味があり、人にとって必要なものと考えるべきである。『若い時の苦労は買ってでもしろ』と言われる由縁である。」

これらの感情を乗り越えて、私たちが内部世界を広げることで、次のような精神的状態を獲得することができます。

「結局は、『苦しみ』とか『悲しみ』または『怒り』といった感情は外部の情報ではなく、外部の情報が入力された後、内部世界からの表現として引き出されるだけのものである。一見、外から見ると苦痛を伴うものでも、『自分にとって価値がある』と思えば、脳は活性化され、問題解決へ向けて自律的に脳の回路が形成されていく。『艱難辛苦でさえ感謝できる』という人間が存在する理由である。」

以上、私が印象的に感じた部分を順次引用してきましたが、私たちの人間としての成長が、脳の原理から見事に説明できるという事実に驚かされました。

「プラス思考」「楽観主義」等、これらの考え方は、すべて脳が「主観的な情報処理システムである」という原理的な性質によっているということが分かった今、これらの考え方をより確信をもって味方につけて生きていこうと思えるようになりました。

 

◆この記事をチェックした方はこれらの記事もチェックしています◆