理想のリスニング #244
2020年10月20日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 理想のリスニング
【著者】 阿部公彦
【出版社】 東京大学出版会
【価格】 ¥2,300 + 税
【購入】 こちら
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このブログでも何度かご紹介させていただいた東京大学の阿部公彦教授によるリスニングの「解体新書」とも言うべき本です。
阿部教授は、大学入試共通試験への英語の民間試験導入に関して、非常に鋭い批判を効果的に展開され、ギリギリのところで導入を当局に諦めさせることに成功した学者の中でも最重要人物として評価されるべき方だと思っています。
その阿部教授が、「理想のリスニング」とは何かを民間試験導入への反対論と同じくらいに鋭く分析されて体系的にまとめられ、まさに理想の「リスニング」本に仕上がっています。
と言っても、ただの「教材」にとどまらず、リスニングの「本質論」を展開されているかなり読み応えのある内容となっています。
私は、この本の存在を知った時、そもそも「リスニング」という分野を体系的に学ぶという経験はないことに気づかされました。
思い返しても、大学入試までは英検対策以外その機会はほとんどなく、大学に入ってからTOEFLの対策で初めて取り組んだくらいです。
しかも、その際も書店で買った対策本についている模擬問題を解くぐらいの行き当たりばったり学習の記憶しかありません。
それは、私だけでなく少なくとも同世代のに日本人学習者なら五十歩百歩ではないでしょうか。
リスニングの対策を戦略的に行いたいという気持ちがある人にとっては、救世主的な一冊だと思います。