本当は語学が得意な日本人 #138
2016年2月16日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【著者】 李久惟
【出版社】 フォレスト出版
【価格】 ¥900 + 税
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著者は、15か国語以上を操るマルチリンガルで通訳やセミナー講師として活躍する台湾人の方です。
まず、本当に台湾の人は日本人を好きでいてくれているのだなということにホッコりした気持ちになれる本です。
前半ではまず、江戸後期から明治にかけて、外国語を自在に操って日本国を植民地化の危機から救い、発展させ、また台湾を植民地化したとはいえ、その発展に語学力を生かしながら尽くした多くの偉人の紹介をしています。
なじみのある人物も多いですが、そうでなくても大きな偉業を達成した人物が登場します。このような方々を紹介することによって日本人が民族として「外国語が苦手」な性質を持っているのではないということを明らかにしようとしています。
また、それだけでなく、自身のマルチリンガルとしての実感から、言語を操るということが、得意不得意のある「センス・才能」に左右されるものではなく、「日々の習慣」の結果に過ぎないということを訴えています。
その中で、そのトレーニングについての以下の言及が非常に的を射ていると思いましたので引用しておきます。
「『文法は必要最低限』知り、『状況に応じて単語とフレーズを組み立てること』ができ、『発音も何とか相手に通じるレベル』まで改善し、『話し出す勇気を持ち』、『間違いを恐れず』、または『間違いながらも使い方を覚えていく』という、そんな『前向きな姿勢』であれば、きっとうまくなっていきます。」
本当に過不足なく、的確過ぎる金言だと思います。
文責:代表 秋山昌広