おすすめ書籍紹介

英語支配の構造 #102

2015年3月11日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介

英語支配の構造

 

 

 

 

 

 

 

 

【書籍名】  英語支配の構造―日本人と異文化コミュニケーション

【著者】   津田 幸男

【出版社】  第三書館

【価格】  ¥1200 + 税

【購入】    こちら

英語を学べばバカになる #101」の参考文献にあげられていた本です。初版が1990年ですので大分古い本ですが、いまだに絶版ではないという息の長い本です。強烈なアメリカ批判の#101の本の参考文献になったくらいですからそういう流れで書かれているだろうと覚悟しながら読み始めました。

予想通り、強烈でした。(笑)

著者の本書における主張は以下の言葉に集約されると思います。

「言語とは一つの世界観の体系であり、ある言語が世界的に広まるということは、あるイデオロギーが広まってしまうことを意味する。特定の言語の支配はその言語の世界観と思想の支配に通ずるということが考えられる。つまり、英語が世界的に支配的になるとしたら、英語のイデオロギー、それはつまり英語民族のイデオロギーと文化であるが、それが支配的になり、他の民族の考え方が圧迫されることを意味する。すなわち、言語の支配は意識の支配に通ずることになる。(一部加筆修正)」

このことをこの一冊を通じて、様々な角度から論じて、私たちを説得しようとしています。全体を通して、私は著者に100%賛成することはできませんでした。もちろん、これだけカタカナ語が蔓延していることを考えれば、多少の圧迫は存在するかもしれませんが、日本における英語支配の状況は、植民地支配を経験している国のそれと比べて全く異なる状況であるというべきだと思います。

そもそも、日本においては大学教育までをすべて日本語によって行うことができています。

つまり、思考の基礎を日本語で置くことができているということです。そのことを考えれば、日本人は英語に支配されるのではなく、英語を「利用」するというスタンスで付き合うことができると思います。

日本語で考えることで日本人として世界との差別化を最大限にはかり、世界に対して英語を利用して発信することで、その大きな市場を最大限に活用する。この姿勢を保てば、著者の言うように意識の支配を受けるようなことはないと信じています。

 

文責:代表 秋山昌広

 

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