日本人と英語

あえて文頭に置く「And」について

2022年11月21日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「サバイバル英文読解」からテーマをいただいて書いていますが、第四回目のテーマは「まとめのand」です。

第一回目の「英文読解における主張の見抜き方」にて確認した通り、「but」は等位接続詞なので本来的に文頭にくることはないということを確認しましたが、そうであるなら、同じく等位接続詞である「and」も文頭にくることはないはずです。

実際にその理由から、傾向としては「避けられる」ことが多いのですが、butとは異なりandには「あえて文頭で使われる」ケースがあります。

それが「最後のまとめに入るためのAnd(文頭ですから当然大文字)」で、またそれが英文読解において読者を理解にいざなうための「定石・テンプレート」として機能すると著者は言います。

以下に本書より該当部分を引用します。

「We now accept the fact that learning is a lifelong process of keeping abreast of change. And the most pressing task is to teach people how to learn.

この文章においては、二文目がAndで始まっているのでこれを『まとめを作るAnd』と見て、この文がこの文章全体の『主張』になります。つまり、この文全体で最も言いたいことは『task=学び方を人々に教えることだ』だということです。」

つまり、こういうことです。

仮に、「We now accept the fact that learning is a lifelong process of keeping abreast of change. 」という文章の中の「learning is a lifelong process of keeping abreast of change. 」あたりが特に分からなかったとしましょう。

そのような場合でも、二文目の頭にある「まとめを作るAnd」を見つけることで、この文章の究極的な主張は「The most pressing task is to teach people how to learn.」の部分で、その意味が「最もpressingな仕事=学び方を人々に教えること」だということさえ把握できさえすれば、分からない第一文目の内容を無視しても大勢に影響はないと開き直ることができるのです。

本当にそうか確認してみましょう。

一文目で最も難しいのはおそらく「lifelong process of keeping abreast of change」で、特に「keeping abreast of 」の部分だと思います。

これは、「(最新の情報などを)常に把握する」という意味の熟語ですので、一文目全体としては、「学習とは変化に遅れないよう、生涯にわたって続けていくプロセスだという事実を今や私たちは受け入れている」という意味になります。

おそらく、この熟語を知らなければほぼアウトでしょう。しかし、第二文目の「the most pressing task is to teach people how to learn.」であれば「最も重要な仕事=学び方を人々に教えること」という大意を掴むことはそれほど難しいことではありません。

第一文目にあるように、「今、私たちが常に学び続けることを受け入れなければならない現実を受け入れなければならない」ならば、仮にその文意を把握できずとも、第二文目の「最も重要な仕事=学び方を人々に教えること」という「主張」さえ把握できれば確かに大勢に影響はないと言えるでしょう。

この「まとめを作るAnd」、かなり使えそうです。

 

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