無意識の力
2019年5月10日 CATEGORY - 日本人と英語
書籍紹介ブログにてご紹介した「最強の英語習慣」よりテーマをいただいて、書いていますが、第二回目のテーマは「無意識の力」についてです。
前回の記事にて、「思い込みはいい思い込みも悪い思い込みもどちらも無意識レベルへと働きかける」という指摘を紹介しましたが、本書で最も重視しているのは、英語学習を無意識で行うことで得られる効用の大きさです。
なぜ無意識で学習を行うことでそれほどの効用を得られるのかを説得的に示しているのが以下の表現です。
「意志の力というものは、消耗品です。使えば擦り減っていきます。だから、何らかの形でチャージしなければなりません。消耗に対してチャージがおぼつかないと意志の力は途切れます。意志の力をたくさん使って頑張ってやることは、むしろその継続を阻みやすくなるとも言えます。逆に言えば、無意識の力を利用すれば、嫌になることがなく全く自然に取り組むことができるというわけです。」
ところが、日本人が母語である日本語と違って外国語である英語を学ぶ場合には完全に意識的な学習を排除することはできません。ですから、意識的な学習の中にいかに無意識的な学習を取り入れていくかということがポイントということになってきます。
本書でそのポイントに触れている部分を引用します。
「例えば、皆さんは朝、『よし、歯を磨くぞ!』と気合を入れて一本一本磨いていることを意識していますか?おそらくそんなことはないでしょう。自然に、当たり前のように、場合によっては考え事をしながら、『気が付いたら歯を磨いていた』というようなことも頻繁に起こるのではないでしょうか。これが習慣化した状態です。習慣化とは、セミオートマチックに事が進むという状態と言えます。そうなれば、『やらねば』というような意志の力を必要としません。自然に多くの大切なことを日々行っていけるようになります。何かを成し遂げたり、マスターしたりするには絶対的な時間が必要です。しかし、この時間を『頑張ってやる』必要はないのです。」
つまりこれは、「できるだけ頑張らない仕組み」すなわち、英語学習の習慣化をいかに実現するかという話です。
本書には、この仕組みをどのようにして構築するかの具体的な方法が丁寧に記されていますが、その中で最も大切だとされていることをここではご紹介するにとどめます。
それは、まず前回記事で取り上げましたプラスの「思い込み」を利用して、英語学習を「できる」状態を(一時的にでも)作ること。
そして、その「できる」状態を、とにかく結果を求めずに「やっている」状態を作る、すなわち継続性を持たせることです。そのためには、決して短期的に成果も求めず、寧ろもっとやりたくても自分に対して禁止して、次にやることを待ち遠しく感じさせるなどのテクニックを使うことが重要です。
こうなってしまえば、やめることの方が難しいというわけです。