日本人と英語

デーブ・スペクターの語学学習十か条

2022年12月13日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「僕はこうして日本語を覚えた」から一つだけテーマをいただいて書きたいと思います。

それは彼が語学学習に最も効果的だと思われることを10個に絞った「デーブスペクターの語学学習十か条」です。

あのビートたけしさんをして「あいつはね、足立区の小学校出てんだよ。ランドセル背負ってるの、見たんだから」とネタにさせてしまうほどの彼の日本語のレベルの高さは圧倒的ですので、本書の最後に彼が掲げる「語学学習十か条」は語学上達へのヒントとしては決して外せないものだと確信しました。

そのため、以下に要約掲載いたします。

◆ 第一条 興味をエネルギーにする

その国の文化、言葉に自分が興味持てなければダメ。なぜなら、世の中には外国語の勉強よりも楽しいことがいっぱいあるし、義務感でやり始めてもモノになるわけはないから。

◆ 第二条 母国語を大事にする

母国語が貧相なら、学んだ外国語も貧相。その意味からすると国際という感じはよくできてる。「際」は「国」があってはじめて意味するものになるわけ。母国のことをよく知らない国際人はいないということ。

◆ 第三条 覚えた言葉はすぐ使う

言葉のペーパードライバーになってしまってはダメ。学んだことはすぐ試してみる。方法はいくらでもあるから、自分で考えてできることを探してみればいい。国際電話で外国の番号案内にかけてみるのも手。(本書の出版は1998年ですが、今ではこんな手よりももっとずっといい手があります。)

◆ 第四条 自分のノートをつくる

言葉の意味も、辞書をそのまま書き写すだけじゃそれこそ意味がない。ノートのスタイルなんてどうでもいいけど、そこに自分の言葉で書くってことが大事。新しい言葉は自分が理解しやすいように説明する。これが自分自身の教材になるわけ。

◆ 第五条 とにかく繰り返す、読み返す

語学って、波打ち際で砂の城をつくっているみたいなもの。ちょっと強い波が来たら土台が壊される。またつくる。また壊される。だけどめげずに土台をしっかり作っていくと、そのうち波が来ても大丈夫になる。だからとにかく繰り返す、読み返す。これが結局は一番効率のいい方法になる。

◆ 第六条 なるべく早く翻訳から卒業

訳を通さずに学んでいる言葉で伝えられる生の情報に接するということ。最初は英和・和英辞書を使うが、でもできるだけ早い段階で英英辞書を取り入れる。その言葉がもつニュアンスとか使われる頻度とかを知ることが重要だから。

◆ 第七条 自分のグルを探す

これは話す・書くの両方に言える。表現力の豊かなタレントたちの言葉をものすごく参考にすべき。僕の場合は、「話す」は古舘伊知郎と桂三枝。「書く」は井上靖と三島由紀夫。彼らの言葉をとにかく繰り返す、読み返す(*第五条)。

◆ 第八条 学習ツールをたえず携帯する

語学学習での禁句は「あとでやろう」。そう思って後でやる人はまずいない。だから自分の学習ツールをたえず携帯し、その場で覚えること。僕の場合はメモできる手帳をどんな時も手放さない。面白い言葉に出合ったら手帳にメモし、手帳がなければ手のひらに書いて後で転記する。

◆ 第九条 インターネットを活用する

話し相手がいない、学ぶ材料がない。こういった双方向性や検索可能性の壁をインターネットは見事に切り開いてくれる。(本書の出版は1998年ですのでメールでのやり取りの紹介にとどまっていますが、スカイプやYOUTUBEが当たり前の今ではこのメリットはこの時代とは比べ物にならないほど大きくなっています。)

◆ 第十条 ユーモアを理解したい

その国のユーモアを理解したとき、あなたはその国を理解したと言える。だから、少し外国語ができる人にはユーモアを理解しようと努めなさいって勧めている。それは外国語を学習する目的としては最後にくるものだと思うから。

最後の「第十条 ユーモアを理解したい」は、日本を「住めば都はるみ」だと言ってのける著者だからこそ最も説得力があると思います。

 

 

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