日本人と英語

「道具」と「手段」の違い

2022年3月1日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の前置詞使いわけ図鑑」から前置詞の「意外なイメージ」について書いていますが、第四回目はその「イメージ」自体の「イメージ」について考えてみたいと思います。

「イメージ」自体の「イメージ」という訳の分からない言い方をしましたが、私たちは前置詞のイメージを表現する時には通常、「場所」「時間」「方向」「道具(手段・方法)」などと言う分類をします。

私は、その中で当り前のように「道具(手段・方法)」というように同じものとしてイメージしており、今まで「文法講座」の中でもそのように扱ってきました。

しかし本書ではこの二つの違いを「in」と「with」という二つの前置詞を使って明確に区別をしながら説明しています。

以下該当部分を引用します。

① He wrote his name with a pen.

② He wrote his name in pen.

「日本語で『ペンで』と言えばどちらも『手段』を表しますが、厳密に言えば①は道具、②は手段です。①のa penは、数えられる名詞であることを示し、具体的な形でイメージできるものです。つまり、①の文から、万年筆やボールペンを手にもって名前を書いている様子がイメージできます。一方、②の無冠詞のpenは数えられない名詞であることを示し、具体的な形をイメージできないもので、インクを使って字を書くものという抽象的な概念のみを表します。つまり、②の文は消すことができないインクを使って名前を書いたことに焦点が当てられています。同様に、『彼は鉛筆で名前を書いた』も、① He wrote his name with a pencil.は『彼は鉛筆という道具で名前を書いた』こと、② He wrote his name in pencil. は『彼は消すことができるように鉛筆という手段で名前を書いた』ことになります。」

今回この指摘を受けて、英語の前置詞のイメージ概念の不勉強のみならず、今まで日本語としての「道具」と「手段」という概念の違いをおろそかにして済ましてしまっていたことに対して心から反省したいと思います。

 

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