日本人と英語

worth(価値がある)の品詞について

2023年11月22日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の極意」からテーマをいただいて書いていますが、第二回目のテーマは「worth(価値がある)の品詞」です。

本書における「迷信」に関する項目の中で、「塩」が古代より世界各地で必要不可欠な価値あるものとして扱われていたことから、塩(salt)に関係した単語やイディオムが紹介されています。

まず、saltという英単語ですが、もともとラテン語のsalarium(塩)が語源であり、古代ローマでは兵士への特別手当は塩で支払われていたことから、「給与」を意味するsalaryの語源にもなったと言います。

続いて、イディオムとしては例えば、「take with a grain of salt(少量の塩をいただく)」で「割り引いて聞く」、つまり額面通りに受け取るのではなく、懐疑心をもって対応するということであり、「not worth one’s salt(塩の価値がない)」で「穀潰し」「給料泥棒」ということになるようです。

ここで、「not worth one’s salt」というイディオムが出てきたので、ふと「worth 」の品詞は何かと考えてみました。

文章にすれば、「He is not worth his salt.」となり、be動詞の後にくるわけで【動詞】ではないのは確かなので【形容詞】かとも思いがちですが、しかしそのあとに名詞があり、しかも所有格のhisがworthとの間にあるので形容詞では理屈に合いません。

そこでworthを辞書で調べてみました。

すると、なんと第一義に「【前】(形容詞とみなすこともあるが)be worth A :Aの価値がある Aの値打ちがある Aに相当する」とあるではないですか!

確かに、辞書にも(形容詞とみなすこともあるが)という表記もありますが、それですと先ほど書いたように、文法的にしっかりとした説明ができませんので、やはり本来的に【前置詞】と理解すべきものだと思います。

ちなみに1単語の形容詞で「価値がある」と表現したければ、「worthwhile」もしくは「worthy」を例えば「It is worthwhile to make an effort.」のように使います。

また、それらの反意語である「worthless(価値がない)」も1単語の形容詞として使用できます。

考えてみれば、私は英語を飯のタネにしておきながら、このタイミングで初めてこの英単語を辞書で調べたということになるわけで、この事実はいくら反省してもしきれない非常に恥ずかしいことだと自分を責めております。(笑)

 

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