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ゾウの時間 ネズミの時間

2023年12月27日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

ゾウの時間 ネズミの時間

これは、中学生の時に理科の先生に勧められて興味を持って買っていた本が、約30年の積読期間を経てついに読むことができた本です。

確かに本書に興味を持った記憶も鮮明に残っているし、30年間の間には何度も目には留まっていて、その都度読みたいなという気持ちになるのになぜか、読み始めるまでにはいかなかった、本当に不思議な経過をたどった本でした。

実際に読んでみると、なぜもっと早く読まなかったのかと後悔するほど、興味深い内容でした。

概要はざっくりこんな感じです。

「(哺乳類でいえば、)体重が16倍になると時間が2倍になる。」という法則が明らかにされています。

この法則をどうやって導いたのか?

それは、「脈拍」と「体重」をネズミ、ネコ、イヌ、ウマ、ゾウという具合にそれぞれ計測してその二つの関係を座標上にプロットするときれいに直線となったことからこのような関係が割り出されたようです。

しかし、脈拍と時間をなぜ同一視できるのかという疑問が当然にして湧き上がりますが、「寿命」「大人サイズになるまでの時間」「性的に成熟するまでの時間」「胎児が母胎にとどまっている時間」などもすべてこの関係に従うので、その意味で「脈拍」と「時間」を入れ替えても問題ないだろうとのことでした。

このことから分かるのは、「物理的時間」とは異なる、それぞれの生物ごとの「生理的時間」というのが存在しているということ。

つまりは、ゾウにはゾウの、ネズミにはネズミの「時間」というものがあって、私たち人間が、「ドックイヤー」などという言葉を作って、犬は人間の1/5くらいしか生きられないので「かわいそう」などと感じるような「時間」の理解は正しくないということです。

本書によってこのようなこのことを踏まえて私は、二つの個人的に大きな気づきを得ました。

一つは、なぜ牛肉と豚肉と鶏肉で値段が違うのかという疑問に対する気づきです。

大人の牛と豚と鶏の体重の差を考えれば、時間、特に「大人サイズになるまでの時間」は圧倒的に鶏が短くて済み、牛は圧倒的に時間がかかることが分かります。ですから、この肉の種類による価格差は、種の希少さというよりは、肉になるまでの時間差(それまでにかかる手間と餌代等)によるものなんだと。

もう一つは、以前に「人は47歳で人生の80%を消費する」と「時間の不思議」という二つの記事で書いた「人間の時間に関する感覚は、年をとればとるほど短く感じられる」ことの理由に関する気づきです。

それは、「5歳の子供にとっての1年は、人生の1/5だが、80歳の老人にとっては1/80というように分母が大きくなることで体感的なインパクトが少なくなるから」というのと、「未来に生きるとは待つことであり、待つとき、時間は引き延ばされるという意味で、未来を生きている若い人は時間が長く感じるから」という二つ以外に、もう一つの理由が存在する可能性に気づかされたことです。

つまり、個体としての人間としても、成長するにしたがって体重が増えていくプロセスの中で、赤ん坊の時間、幼児の時間、少年の時間、青年の時間という形で体重が増えていく中で、上記の関係が影響を与えている可能性があるのではないかということでした。(老年期になると体重は減るのでその部分についての説明は難しいですが、、、)

まあ、この積読が解消されるまでの30年の間に30㎏くらい体重が増えた私が感じるのですから間違いないです。(笑)

 

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