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読書は格闘技

2023年12月21日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

一年ほど前に、2019年に病気にて早逝された投資家の瀧本哲史氏の「僕は君たちに武器を配りたい」という本を、10年に一度出会えるかどうか分からないほど素晴らしいビジネス本としてご紹介しました。

その本の出版が2011年ですので、その5年後の2016年に出版された「読書は格闘技」という本を今回はご紹介します。

なにやら不穏なタイトルではありますが、この真意はドイツの哲学者ショウペン・ハウエルの「読書について」という著作の次のような指摘に対するカウンターパンチにあるようです。

「読書は、他人にものを考えてもらうことである。一日を多読に費やす勤勉な人間は、次第に自分で物を考える力を失っていく」

つまり、本を読む際には、単に受身で読むのではなく、著者の語っていることに対して、「本当なのか」と疑い、反証する中で新たな「自分の考え」を作っていくという姿勢が重要なのだというのが、このタイトルの意味するところです。

そして、この本が面白いのは、本書の中でその格闘技が実際に行われているのを見せてくれる点です。

具体的には、あるテーマについて全く異なるアプローチの本を二冊紹介し、それを批判的に比較検討することで、「新たな考え」に昇華させていくという試みです。

著者は再度ショウペン・ハウエルの次の言葉を引用していますが、まさにこれこそが普通の読書とこのような格闘技としての読書の違いについての正しい理解だと思いました。

「学者とは書物を読破した人、思想家、天才とは人類の蒙を開き、その前進を促すもので、世界という書物を直接読破した人」

著者である瀧本氏は間違いなく日本における後者の一人であるはずですが、私も「世界という書物を直接読破した人」に少しでも近づきたいと思いました。

 

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