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英(原)文にあたることの重要性

2020年8月5日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

本日(2020年8月5日)、レバノンの首都ベイルートで大きな爆発が起きたというニュースがありました。レバノンのベイルートという国名と都市名はこの一年で日本人にとっては非常に有名となりましたので、関心を持った日本人は多かったと思います。

ただ、今回この記事を取り上げたのは、この事故(事件?)について詳細にご紹介するためでも、ゴーンネタを取り上げようということでもありません。

取り上げたいのは、海外のニュースを誤解なく受け止めるためには「原文にあたる」ことが重要であるということをお伝えするためです。

このヤフーニュースの見出し部分

とコメント欄のスクリーンショットをご覧ください。

これらのコメントが示す通り、最近は非常にトリッキーなタイトルがポータルサイトのトップに上がることが多いと感じます。

コメントの中でも言われている通り、アクセスを稼ぐことが何よりも重要視され、半分だまし討ちみたいなやり方も見受けられます。

今回も、そうかなと思い、久しぶりに英語のニュースの原文にあたってみることにしました。

すると冒頭から次のように書かれていました。

「President Donald Trump claimed a massive explosion that killed at least 78 people and wounded at least 4,000 in Beirut on Tuesday was “an attack,” contradicting the Lebanese government’s announcement that the blast involved the accidental detonation of a cache of explosive chemicals. 」

これを日本語に簡単に直すと、

「トランプ大統領は78人が死亡し4000人が負傷した火曜日のベイルートの大爆発は『(何者かによる)攻撃だ』と言ったが、それとは反対にレバノン政府は爆発性の化学物質の貯蔵庫の爆発事故による突風だと発表した。」

続けて次のようなトランプ大統領の発言も載せています。

「”I’ve met with some of our great generals and they just seemed to feel that it was not some kind of a manufacturing explosion type of event … They would know better than I would, but they seem to think it was an attack — it was a bomb of some kind, yes.”」

「何人かのすぐれた米将軍にあったが、彼らは工業製品の爆発ではあのようにはならないと思うと言っている。彼らは私よりもよく知っている。そう、これは確かに爆弾か何かだと。」

この原文からすると、ヤフーのコメント欄にて批判されているように、トランプ大統領が比喩として「攻撃のような」と言ったことを、タイトルが目立つように「実際の攻撃がなされたようだ」という表現として記事を書いたものではないことが分かります。

この記事はロイター通信のものですので、さすがにロイターがそこまで姑息なことをするはずもないかと冷静になればわかるのですが、その日本語記事だけではすぐにはそう判断できない人がいても仕方ありません。

これが「原文にあたる」ことの価値です。

しかも、最近ではたとえ英語力がなくても、グーグル翻訳に頼るだけでも、そのようなだまし討ちを避けることができますので特におすすめです。

とはいえ、今回は一般の人がまさかそこまではしていないだろうと思ってしまうような発言をトランプ大統領は実際にしてしまっているわけで、逆に非常に恐ろしく感じます。

今後のニュースを注視する必要があると思いますが、現在のところはレバノン政府の見解を素直に受け取っておくことが国際社会の一員として必要なことかと思います。

 

 

 

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