代表ブログ

大学模試の「D判定」の意味合い

2022年1月31日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

今年度の大学入試は混乱続きですね。

受験生たちは、二年目とは言えそれでも大学入試共通試験の「民間試験導入問題」の混乱に悩まされ、またコロナの蔓延に神経を使い、さらに「東大前刺傷事件」や「試験問題流出事件」と立て続けに問題が起こったことで心を乱されることとなりました。

今回は、そんな乱された今年の受験生の心を少しでも整えられる記事を書いてみたいと思います。

実は、あまりに常識的なことで疑問など差しはさむ余地などないと思われているものでありながら、実は受験生の多くが誤解している重要な指標があります。

志望校の「合格判定」です。

今回は、彼らの「誤解」を解き明かし、勇気づけてくれるであろう、記事が産経新聞のウェブ記事にありましたので以下に引用します。

「模試の合格判定の仕組みというのは意外に知られていない。毎年延べ230万人が受験する大手予備校『河合塾』の模試を例にあげると、この判定の正式名称は『合格可能性評価』。A判定なら合格率80%以上▽B判定65%▽C判定50%▽D判定35%▽E判定20%以下-といった具合で、15ポイント刻みで、志望する大学への合格の可能性を示している。よくある誤解が、A~Eまで均等に2割ずつ分布している-という話。各ランクの受験者の分布は均一ではなく、実は、E判定がつく志願者は全体の60%に及ぶという。」

言われてみればその通りで、今までなぜ何の疑問も持たずにこの指標に一喜一憂していたんだろうと反省する人は少なくないと思われます。

せっかくですので具体的な数字を使用して詳しく見てみたいと思います。

これは、ある国立大学の模試の結果です。

この模試の受験者数の合計は250人で、A判定に(7+9+13)=29人、B判定に24人、C判定に34人、D判定に38人、そしてE判定に(33+31+22+23+9+3+3+1)=125人です。

これだけではこの大学の正確な定員が分からないのですが、合格判定の各%を基にざっくりと計算します。(「ざっくり」というのは、Aは80%以上、Eは20%未満ですので正確ではないという意味です。)

A判定は80%=29×0.8=23.2人、B判定は65%=24×0.65=15.6人、C判定は50%=34×0.5=17人、D判定は35%=38×0.35=13.3人、E判定は20%=125×0.2=25人で合計94人

したがって、先ほどの「以上と未満」の不確定要素がありますので安全率を見て定員を90人とすると、倍率は2.8倍ということになります。

このように見てみると、「D判定」の意味合いがはっきり見えてきます。

少なくともD判定のトップは88位ですので90人という定員内に収まっているのです。

ということは、D判定をもらったときには、「よし、十分に勝負になるぞ!でも決して安全圏とは言えないのであともうひと踏ん張りするぞ!」というのがあるべき心持ちであって、ゆめゆめ、「ああダメだ!」と悲観などしてはいけないのです。

ましてや、「D判定」を理由に「志望校の変更」の選択など完全に馬鹿げているということが分かります。

まだまだ受験本番はこれからです。

とはいえ、彼らのこれから本番までの時間はそう言った事情に忖度することなく刻々と過ぎていくわけですから、自分自身の努力を信じて最大限の成果を発揮していただきたいと思います。

 

◆この記事をチェックした方はこれらの記事もチェックしています◆