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「人生案内」における新たなレジェンド誕生

2023年7月5日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日(2023年6月21日)も読売新聞の「人生案内」についての記事を書き、私の個人的な好みである「ズバリ厳しい意見」の出久根達郎氏(小説家)と眉村卓氏(SF作家)のお二人(現在ではこのお二人に代わって、作家のいしいしんじ氏がこのタイプにおさまってらっしゃいます。)とは異なるタイプの「バランスのとれた優等生意見」の山田昌弘(大学教授)氏の考え方についてご紹介しました。

私の好みの「ズバリ厳しい意見」のもう一つのその枠(新聞社としてそのような意図があるかどうかは分かりませんが)を埋めるかのような新たな「本音ズバリ型回答者」の意見を本日(2023年7月5日)発見しました。

その意見の主は小説家の山口恵以子(えいこ)氏です。

山口氏は丸の内新聞事業協同組合の社員食堂で調理の仕事をされていた2007年50歳の時に作家デビューし、2013年「月下上海」で第20回松本清張賞を受賞されたというユニークな経歴の持ち主です。

以下に、その記事を要約します。

◆ 40代の主婦

「1年前に長く働いた職場の人たちとの連絡を絶ち、連絡先も消してしまいました。仕事はやりがいがあり、本当は続けたかったのですが、人間関係で嫌な思いをして辞めたためです。地元の友人たちとも連絡を絶ちました。結婚して地元を離れましたが、年末などの集まりの連絡が来ていましたが、一度仕事で行くことができなかった時から、返信しても返事もなく、今年は年賀状も来なくなったからです。最近地元の地名を見るたびに腹立たしさとさみしさが同時にこみあげるようになり、苦しいです。友人や仲間は本当に必要でしょうか。いやな人のことは忘れてしまいたいのですが、時々心の中に出てきて怒りが湧いてきます。心穏やかに生きていくためにはどうすればいいですか。」

◆ それに対する山口氏の回答

「私も友人がいません。高校の同級生、趣味の仲間、担当編集者、元同僚など、親しくしている人はいますが、その人たちを『友人』と定義するのは少し違うように思います。友人とは、わがことのように相手の幸福を喜び、不幸を悲しむことのできる存在です。果たしてそんな人、この世にいるでしょうか。私なら自分が不幸に襲われたのに、相手ばかり幸運が訪れたら、きっと顔を見るのも嫌になります。つまり友人とは、人が一生に一度出会えるかどうかの『奇跡の人』です。『ママ友』は友達じゃないです。だからみんな口では友人というけれど、その人の環境が変化するに従い、付き合う人間関係も変わっていくのではありませんか。だからあなたも、友人や仲間という存在をもっと気楽に『その時々で付き合って心地よい人たち』と割り切ってください。そして、今のご自身が一緒にいて気楽に過ごせる人と、緩やかに付き合っていきましょう。」

このことは、年を取るにつれて誰もが皆、程度の差はあれども「真実」として認識していきながらも、公式には、特に子供に対してはなかなか言えないことだと思います。

ただ、私がこのことをこのブログで取り上げようと思ったのは、私は自分の子供たちには折に触れて伝えていることだったからです。

この40代の女性のように、大人になってから自らの心に湧き上がってくる「怒り」と「さみしさ」に悩まされ、生きづらくなってしまうくらいなら、それを人生における真実の一部として子供のころからある程度知っておくべきかと思い、自分の子供たちだけには上手に伝える努力をしてきました。

私は自分の子供たちだけにしか言えませんでしたが、日本最大の発行部数を誇る読売新聞にてサラッと言ってしまう山口氏を心から尊敬し、個人的に「本音ズバリ型回答者」として任命することにしました。(笑)

ちなみに、「恵以子(えいこ)」はペンネームではなく本名らしいのですが、「1人でも強く生きていける」という意味が込められているとウィキペディアのエピソード欄に書かれており、なるほどと思ってしまいました。

「人生案内」における新たなレジェンド誕生によって一段と読売新聞朝刊から目が離せなくなりました。

 

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