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50年前に予想した2020年

2020年1月6日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、2020年あけましておめでとうございます。

年明け早々、ウェブサーフィンをしていましたら、興味深い記事を見つけましたのでご紹介します。

それは、BuzzFeedの「『ガンを克服』『4時間労働』1970年に描かれた2020年が未来すぎる」という記事です。

これは、1970年に行われた大阪万博の日本のパビリオン「三菱未来館」のテーマが「2020年の様子」だったという話題について書かれたものです。

その記事のポイントを以下にまとめてみたいと思います。

◆家庭の様子

家事はすべて機械がやるために、主婦は電子チェアにすわって、家事プログラムに合わせたボタンを押すだけ。料理は電子自動調理器をセットするだけ。世界のテレビ中継がみられるほか、プールや自家用ヘリが一般家庭にも普及している。

◆住宅の様子

一生のうちで唯一の財産という所有物的な考えはなくなる。回転しているため日当たり万全な筒型の住宅に暮らしている。交通にも便利で、無駄もなく機能的。仕事が終わると郊外の別荘にいく。

◆学校の様子

個人の能力をのばす「科目別進学制」に。勉強の場は家庭に移り、テレビ放送で教育を受けるように。学校そのものは、遊びや体育を通じて「人間性や団体生活を養う」場に。教育の国際交流が広がり、留学も簡単にできるようになる。

◆仕事場の様子

会社内の業務は、完全にオートメーション化され、ボタン一つですべてが操作できるようになる。会社は、24時間業務を続けるが、人間の働く時間は1日4時間に短縮される。なお、肉体労働に関してはまったく姿を消し、通勤ラッシュも「伸縮自在の高速通勤列車」の存在によって解消される。

◆病院の様子

「ドライなイメージ」に。ガンは克服され、交通事故以外では手術も必要なくなるように。人工臓器も活躍し、人の健康状態のデータは常に病院に管理されることで、病気がある際には呼び出される仕組みに変わる。

◆農業の様子

稲作が減少し酪農に重点が置かれ、機械化・集約化によって「多様化した専門的個別経営の農業」が進む。天候も自動調整され、人工照明のおかげで生産性は増大する。

◆漁業の様子

衛星によるレーダーを活用するように。魚は工場船で加工され、ヘリコプターで運ばれる。魚の減少を防ぐため、栄養分を海水に混ぜておく。人工養殖も発達し、マスやウナギは世界中に輸出される。

どうでしょうか?

私としては、かなり「惜しい」ところまで行っているところと、まったくそこまで行っていないところが混在しており、全体的としては30点くらいに感じました。

まずは、「惜しい」ものとして、

インターネットによって「世界のテレビ中継がみられる」や「テレビ放送で教育を受けるように」は、実現しているというか、むしろyoutubeで逆に自分自身が世界に向けて発信できるようになっていますし、通信制学校や衛星予備校は当たり前になっています。「留学も簡単にできる」も短期留学制度が全くない学校の方が珍しいくらいになっています。「人工臓器も活躍」もiPS細胞の開発によってあと一歩のところまで来ているのかもしれません。「人工照明のおかげで生産性は増大する」や「人工養殖も発達」は、まだまだ効率性が高くなく一般化しているとは言えませんが、野菜工場や近大マグロなど技術的には可能となりました。

対して、「まったくそこまで行っていない」ものとして、

「プールや自家用ヘリが一般家庭にも普及」、これは明らかに0点でしょう。「完全にオートメーション化され、ボタン一つですべてが操作できるようになる。」と「人間の働く時間は1日4時間に短縮される」は、機能的には一人一台PCが当たり前になりましたが、それによって効率的になったという実感がなく、むしろ過労の問題が深刻化しています。「通勤ラッシュも『伸縮自在の高速通勤列車』の存在によって解消される」も、まったくその通りにはなっておらず、むしろ女性専用車両を導入しなければならないような当時としては想定していなかった不都合が生じてしまう始末です。

ちなみに、パビリオンのパンフレットの冒頭には以下のような文言が書かれていたそうです。

「私達を脅かす自然の脅威。それを克服して、いかに自然と調和した文明を築くかーーこれが、三菱未来館のいだく大きな夢です」

未来予想としては30点としましたが、この課題設定については100点だと思います。

その課題の解決に対して、今私たち人類はまさに正念場に立たされていることは間違いありません。

 

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