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「NFT」を分かりやすく説明する

2023年4月30日 CATEGORY - 代表ブログ

 

皆さん、こんにちは。

前回ご紹介したキングコング西野さんの「夢と金」の中で、デジタル音痴の私が今までどうしても理解できなかった「NFT(Non Fungible Token)」なるものの本質を非常に分かりやすく説明してくれていたので、今回はこちらをテーマに書きたいと思います。

まずは、そもそも「NFT」とは何か、その代表的な定義はこちらになります。

「NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)は、デジタルアイテムの所有権を証明する特別な証明書のようなもので、トークンすなわち、ブロックチェーン技術を使用して発行した『暗号資産』の一つです。ブロックチェーンとはたくさんのコンピューターが協力して作るデータベースで、取引情報やデータを一連のブロックに記録し、それらを鎖状につなげていくことで、データの改ざんを困難にする技術です。暗号資産としては『暗号通貨』が有名ですが、『通貨』は例えば1万円札と他の1万円札を交換することができるので、『代替性』があるといえる一方で、NFTはそれぞれが独自の特徴を持っており、他のNFTと同じ価値にはならないため替えが効かないという意味で『非代替性」トークンと言われます。」

【*ちょっと英語の話に脱線します。このfungible(代替性のある)という形容詞の語源が気になりましたが、なかなかネット上にその説明が見つかりません。そこでこの語に一番近いのを探すと、fungus(fʌ́ŋgəs)の複数形であるfungi(fʌ́ŋgài):真菌類という名詞を見つけましたが、一見して「代替性」とは無関係のように見えます。ただ、真菌の一部は無性生殖、すなわちクローンで増えることもあるので、真菌のように同じようなものが増えるという意味で「代替性のある」という形で使われるのではないかと想像しました。】

とこのように、かなり分かりやすい定義を見つけてきたつもりですが、これでも体感的に理解できる内容とはとても言えません。

ここで体感的な理解を妨げるハードルとなっているのがNFTなるものが作られた「目的(存在理由)」がそもそも分からないということだと思います。

例えばお気に入りのアイドルの画像などをスマホの待ち受けにできるのがデジタルアイテムですが、誰もがスマホの中にデータとして持ててしまうもののの所有権を証明することにどんな意味があるのか分からない人は多いと思います。

そこで、以下に本書の該当部分から、その「目的」を体感的に理解できる説明を引用したいともいます。

「ミクロネシアの西の端に位置するヤップ島には『石貨』と呼ばれる『石のお金』がある。しかし、これらは日常生活で使われたりすることはなく、冠婚葬祭の贈答品として使われたり、村同士の争いがあった時に『ごめんね、これでチャラにして』的な感じで送られたり、値段のつかない問題を解決するときに使われていた。ヤップ島の住民がこの石に価値があると信じているのは、この石がヤップ島で採掘することができず、500キロを離れたパラオ諸島でしか採掘できずカヌーで時には嵐の中を命がけで運ぶ必要があったからだ。大きいものだと5トンくらいでその場所から動かさずに所有者が変わっていった。そして、中央データセンターみたいなものが存在したのではなく、所有者が変わった情報を島の皆で共有できた。面白いのは最も価値が高いのは、海の中にある。運びきれず沈んで誰も見たことがないが、多くの犠牲を払って確かにそこにあることを島中が知っているからだ。触ることも見ることもできないので、もはや所有していない。」あるのは『所有感』だけ。海の底に沈んで切る石貨の『所有感』を贈ることで例えば家と交換できるのだ。お金とは共同幻想で皆が価値を信じた瞬間に価値が生まれる。」

つまり、誰もが価値を感じることができる「値段のつかない問題」を解決できるくらい価値ある物の「所有者(所有感)」の移動を皆が把握できる規模感のヤップ島では「所有感」に価値が生まれるということです。

確かに、「あの村とこの村の殺し合いを解決できたのはオレが所有する石のおかげ」ということを島の皆が知っているということ(自慢できること)には確かに価値があることが分かります。

テクノロジーの力によって地球規模でそれと同じことを実現することができるようになるということがNFTの本質です。

この本書の「目的(存在理由)」の説明によって、デジタル音痴の私もようやくその意味が理解できました。

テクノロジーの説明にミクロネシアの「石のお金」の話を持ってくるあたりの著者の説明センスに脱帽です。

 

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