こんな人に私はなりたい 【その2】
2019年9月23日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
もうだいぶ前になりますが、このブログにて「こんな人に私はなりたい」と題して「メザシの土光さん」こと元経団連会長の故土光敏夫氏についての記事を書きました。
今回、もう一人「こんな人に私はなりたい」と思わずにはいられない人を見つけましたのでそのことについて書きたいと思います。
それは、昨年亡くなられた女優の樹木希林さんです。
彼女の出演される映画は結構見ていますし、そこでの演技は本当に素晴らしいと思います。ですが、「こんな人に私はなりたい」とまでの気持ちを持っていたわけではありません。
ですが、先日(2019年9月10日)にテレビ朝日で彼女の一人娘の内田也哉子さんを含む彼女に縁の深い20名の著名人の彼女の不思議な人柄についての回想を中心とした特別番組が放送されました。
その生きざまを表すものとして彼女にまつわる「名言」がいくつも挙げられていたのですが、それぞれを見ると、時には「綿(わた)」のように、そして時には「棘(とげ)」のように聞こえてしまいます。
番組の中で取り上げられたものの中でそのことが良く分かる言葉をいくつかをご紹介します。
◆「火花」で芥川賞をとった又吉直樹さんに伝えた言葉
「私の友達が『火花』読んでよくなかったって言ってたよ。私は読んで面白かったよ。誰でも面白い様な小説じゃなくてよかったね。」
◆少女のころから親交のある女優の岸本加世子さんに伝えた言葉
「(ガンは)本当にありがたいわよ。死ぬってわかってるからいろいろな準備ができるから。」
◆娘である内田也哉子さん(子どもの時)に伝えた言葉
「(海外の貧しい生活を目の当たりにした時、豊かな生活と比べ)こういう豊かな生活をしたい?したいの?でも、そういう生活できなくなったらどうする?今たまたまこういう生活できてるけど、いつできなくなるか分からないの。そういう時にがっかりして、文句ダラダラ行ったりしちゃダメ。そういう時は切り替えるのよ。」
◆娘である内田也哉子さん(大人になって)に伝えた言葉
「おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」
◆その娘がお母さんの存在について語った言葉
「安らぎのお母さんというよりは、鋭いナイフのような母親」
確かに、これらをそのまま読むと、むしろ「棘(とげ)」の方が多いように思えるところがあります。
しかし、それは自分の軸というもののみに従ってものを言い、それが他人に受け入れないことを恐れないという彼女の姿勢が、そのような生き方ができない一般的な人間からすると、棘のように思えるだけなのかもしれません。
つまり、彼女は、世間に媚びることと、他人を思いやることとは違うということをしっかりと認識してされていたということです。
これらの一見棘のような言葉の背景には、必ず、彼女の「他人(人類)の幸せ」を求める心があったことを、それらの言葉を紹介してくれた出演者の説明によって理解することができました。
特に、内田也哉子さんが、「私が母からのこのメッセージをバトンとして受け取って、また誰かほかの人に渡せるのではないか」とおっしゃっていたことで、そのことが強烈に印象づけられました。