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英語だけできる残念な人々 #17

2014年5月10日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介

残念な人々

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【書籍名】  英語だけできる残念な人々

【著者】  宋文洲

【出版社】 中経出版

【価格】  ¥1365(税込み)

【購入】   こちら

 

この本での著者の主張は端的にいうとこうです。

「グローバル化と英語化は違う。英語ができなくても優秀な人材はごまんといるし、英語だけできても残念な人もごまんといる。だから、英語なんて必要となった時にやればよくて、必要以上に勉強しなきゃなどと思うのはばかばかしい」

特に本書では、著者は楽天をやり玉に挙げて、「グローバル化のための英語化:社内公用語化」について徹底的に批判をしています。日本人同士の会議に英語を使う、日本人の投資家に対する決算報告を英語で行うというような事例に対し、奇異を通り越して滑稽とまで言っています。

確かに、昨今の何でもかんでも英語熱というのはどうかなとも思いますし、著者のいう英語ができなくても優秀な人材はごまんといるということも一理あると思います。おそらく、この主張を聞いて「そうだ!」「そうだ!」と膝をたたく日本人が、かなりの数いるのではないでしょうか。

ただ、すこし待ってください。

私はランゲッジヴィレッジの運営を通して、「日本人にとっての英語」についての問題点をきっちりと把握しているつもりです。

中学、高校と6年かけてこれでもかというくらいにインプット(だけ)に力を入れてきている日本人にとっては、たった2週間程度のアウトプットに徹する環境を確保するだけで英語でコミュニケーションをとることができる(少なくともきっかけをつかむことはできる)ようになれると確信をもって言うことができます。

すなわち、私が考えるに、ほとんどの日本人は、楽天の三木谷社長の言っていることを「あっそうですか」と素直に受け入れればよくて、著者のいうようにムキになって「奇異だ」「滑稽だ」と大騒ぎするほどのことでもないだろうにと思うのです。

ただ一点、現在のインプット一辺倒の学校教育では、何かのきっかけでアウトプットのチャンスを得なければ、その人にとってはゼロとなってしまいます。

つまり、ほとんどの日本人がせっかく7合目8合目まで来ているのに、そのチャンスを得ることができなければ全部無駄となるというパターンを経験してしまっているために必要以上の拒絶反応を起こしてしまうのです。

著者がいう「英語なんて必要になれば取り入れればよい。」ということを健康的に受け入れるためには、偶然そのチャンスを得られるかどうかということではなく、仕組み的にある一定の時期に「英語を使う環境」を経験し、「自分は英語を使う気になれば使える」という意識を持つことが重要だと考えます。

そうすれば、著者の考えも、楽天の三木谷社長の考えも両方「当たり前のこと」のこととして聞くことができるようになると思うのです。

 

文責:代表 秋山昌広

 

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