日本人と英語

「どのくらいの大きさの部屋か?」を英語で言うと?

2022年9月15日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「日本人の9割が知らない英語の常識181」からテーマをいただいて書いていますが、第九回目のテーマは「形容詞と副詞と名詞の置き場所」についてです。

日常よく使う表現ではあるけれども、いざ英文を作ろうとすると「あれっ?」となってしまう表現は結構あります。

典型的なものとして、「あなたはどのくらいの大きさの部屋を探しているの?」というような疑問文があげられます。

実際やってみましょう。

「How big room are you looking for?」

できるじゃないか、と思った方、少々お待ちを。

この文には「room」につけるべき冠詞(この場合は特定のイメージが話し手と聞き手の間で共有されてないはずですので不定冠詞「a」となるべきですが)がないのです。

ではどうするのか、「how a big room」なのか「how big a room」なのか、どっちもなんとなく違和感があるように感じてしまいます。

以下、解答と解説文を引用します。

「How big a room are you looking for?

疑問詞howの後ろに形容詞付きの名詞をとるときは、『How+形容詞+a+名詞』という語順にしなければなりません。」

このように著者の説明には結論のみで、その理由が書かれていませんでしたので、以下私の解説でご納得いただければと思います。

というのも、私は自ら主宰する「文法講座」の「比較」のセッションにてこれと非常によく似た問題を取り扱っています。

それは比較の原級、すなわち「~と同じくらい・・・だ」の表現に関するものです。

例えば、「彼は犬と同じくらい大きな猫を飼っています。」という文章を英語に直す場合、

「He has as big a cat as a dog.」となるとして、その解説の際、「as」は「同じくらい」という意味の副詞で形容詞の「big」を修飾し、修飾された「big」は名詞「cat」を修飾します。

一方で不定冠詞「a」も名詞「cat」を修飾するわけですから、「big」も「a」も両方とも名詞「cat」にくっつきたいわけですが、「as」という副詞と「big」という形容詞の結びつきもあるので「a」と「cat」の結びつきの方が勝って、結果的に「 as」「big 」「a」「 cat 」という順番になるというわけです。

ここで話を「How big a room」に戻しますが、副詞「as」が疑問詞「how」に変わっています。

ただ、疑問詞「how」の「疑問詞」という名称は省略形であって、もともとの名称は「疑問副詞」であり、その本質は「副詞」です。

ですから、この問題は「He has as big a cat as a dog.」の比較の原級の問題と本質的に同じであると言えるのです。

 

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