日本人と英語

「ハイチーズ」が実は意味がない理由

2024年2月3日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の発音と綴り #309」からテーマをいただいて書いていきますが、書籍紹介ブログの中で、本書のテーマである発音と綴りのうち「発音」に関してはすでに#285「英語リスニングの鬼100則」にて重要事項をほとんど網羅したので、基本的に本書からは「綴り」を中心に関するテーマを見ていくと言いましたが、「発音」に関して2つだけ追加で面白いトピックがありましたので今回と次回で取り上げます。

第一回目のテーマは「写真を撮るときの掛け声の意味」です。

そうです、私たちが写真を撮るときに必ずと言っていいほど被写体になる人たちに掛けるあの「ハイ、チーズ」に関することです。

本書には、この掛け声に関する非常に興味深いコラムがありましたので以下、要約引用します。

「『ハイチーズ』は英語の”Say cheese.”が元。英語なら被写体が”Cheese”と言っているところでシャッターが切られます。【tʃíːz】は1音節で1拍の語。唇が平たく笑顔のように見える【íː】の箇所で写ることになります。しかし日本語ではそうはいきません。『ウ』を発音するときは普通唇を円めませんが、写真を撮るときに言う『チーズ』の『ウ』では円唇音となることも多い。『ズ』のところでシャッターが切られるため、結果として唇を円めたひょっとこのような口の形で写真に写ることになるわけです。問題が『チーズ』にあることに気づいた人たちがいたのでしょう。『1+1は?2』、『キムチ』など『イ』で終わる言葉が使われるようになりましたが、今でも『チーズ』という習慣は残っています。『チーズ』と言って写真を撮るときは、唇を円めないように気を付けたいですね。」

なるほどと思うと同時に、日本人は外国からのものをなんでも無批判に取り入れすぎる悪い癖がここでも思いっきり出てしまっているなと感じてしまいました。

真似るのはいいけれど、なぜアメリカ人は”Say cheese.”と言うのか、その目的を明らかにしてから、真似る真似ないを決めるという思考プロセスがあってもよさそうなのに、、、、

その目的を理解して、「チーズ」が無理だと分かったら、例えば「ハイミー(私を撮って)」とかにできたかもしれません。(センスがいいかどうかは別として目的は達成できるわけですから)

あっ、でも考え方を変えれば、「ひょっとこのような口の形で写真に写ること」も写真としては面白く思い出に残るとも言えるかもしれないと思い直しました。

 

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