日本人と英語

英語の母音を諦めてもよい理由

2021年1月8日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「理想のリスニング」からテーマをいただいて書いていましたが、第六回目の今回が最終回となります。

最終回のテーマは、「英語の母音の重要性」です。

私が主宰する「中学三年分の英文法を2泊3日で血肉にする合宿」には、その特別講座として「発音記号を20分でほぼ完璧にする講座」を設けています。

日本人の英語学習者の80%以上が「発音記号」を理解していないという現実がある中で、本当にたった20分で「ほぼ完璧」にしてしまうのですから、非常に驚かれます。

でも、「ほぼ完璧」としていることにお気づきかと思います。

なぜ「ほぼ」という条件を付けているのかというと、発音記号のうち日本人が「頑張ってできる」ものと、「頑張ってもできない」ものに分け、前者のみを徹底的に分かりやすく解説するという方法をとっているからです。

そして、その「頑張ってもできない」ものに実は「英語の母音(特にアとオに近い発音)」は分類されているのです。

ただ、そうはいってもそれを完璧にできなければ「通じない」ということであれば、それは大問題なのですが、それは全く問題がないと体験的に理解しており、その自信によってバッサリ切り捨ててきました。

前置きが長くなりましたが、実は本書の中でこの私の体験的理解と自信をより強固にしてくれるエビデンスとなる記述を発見しましたので以下でご紹介させていただきます。

「ロンドン大学のある有名な発音の先生がイギリスの放送局を通じて次のような実験をしました。ある文章の母音をすべて一つの母音に置き換え、それに正しいリズムとイントネーションをつけて読んでみました。例えば I was born in London. ならば『ai wəz bɔ:n in Lʌndən』となり、各々の語に含まれる母音は『ai ə ɔ i ʌ ə』なのですが、それをすべて一つの母音『ə』に置き換えて読んでみたわけです。こんなことをすればたちまち何を言っているのか分からなくなってしまうのではないかと懸念されましたが、実際にはリズムとイントネーションが正しければ、言ったことの80%までが放送を聞いている人には分かったという結果が出ました。」

まさに私の主張を見事にサポートしてくれる記述を手に入れることができた気がしました。

ただ、この中では「80%」の成功率となっていますが、私は講座の中でほぼ100%とお伝えしていますので、その20%の差について以下にご説明したいと思います。。

私の文法講座の目的は、「どんな文章でも自分が言いたいことを単語さえ分かれば英語にすることができる」ようにすること、それはすなわち「文脈づくり」を可能にすることです。

ですから、上記の実験では「文脈」が全く排除された状態で発音の力だけで80%の成功率をたたき出しているわけで、この講座を修了することで得られる「文脈」によって残りの20%が補完され、100%が実現されるというのが私の主張の根拠です。

いずれにしましても、本書でのこの指摘は私とこの講座にとっては本当にありがたいエビデンスでした。

 

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