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Brexit has been done.

2020年2月3日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

2020年2月1日、ついに英国がEUから離脱しました。

私たち日本人からすると、このグローバル化の時代にアメリカのトランプ大統領の進める「America first」の政策とともに、この英国の「Brexit」の方針は非常に理解に苦しみます。

特に、このEUという枠組みは、ヨーロッパが第一次世界大戦からずっと「戦争」によって苦しんできた歴史を踏まえて、たどり着いた「過ちを繰り返さない」ための仕組みだったわけで。

域内でドイツに次いで二番目の経済規模を誇る英国がEUを脱退するという決断の意味を体感的に理解できる日本人は非常に少ないと思います。

その決断の意味を少しでも理解するために、Brexitの前日である1月31日にジョンソン英首相が公開したビデオメッセージを改めて見てみました。

正直、強烈なイギリス発音で分かりにくいですがどうぞ。

このメッセージのポイントは以下のようにまとめられると思います。

まずは、

「自分自身をふくめ「離脱派」の人々にとって、希望に満ちた驚きの瞬間であり実現しないだろうとさえ思われた瞬間だが、一方で喪失感を抱く「残留派」の人々も少なくないことを私自身理解している。そして、このことによって今後も論争が収束することがないのではないかという不安が存在している。したがって、政府(私)の責務は、この国を団結させ、前進させることだ。」

これは、「離脱」するにしても「残留」するにしても英国民の決断によるものだが、既に第一回目の国民投票以降何度も、政府がその結論を断行しきれなかったことによって混乱を生じさせてしまったことは、英国のみならず、EU全体に対しても無責任な姿勢であり、今度こそその責任を果たす覚悟の宣言と受け止められます。

そして、

「ヨーロッパ全体としてEUという組織の理想を追求してきたことは理解していながらも、例えば移民問題や関税の問題など、あくまでも独立国家である英国に合わないルールによる英国の主権侵害の程度が、EUの理想を守ることの重要性を著しく超えてしまったことが、英国民をして「Brexit」という結論に至らしめたという事実を受け止めなければならない。」

これについては、EUにとっての全体最適を実現するために必要な域内第二位の経済規模を持つ英国が受け持たなければならない負担が、他の加盟国との負担バランスを考えるともはや許容できる範囲を超えてしまい、「背に腹は代えられない」という現実問題とのであったということのようです。

つまり、英国はEUのメンバーである前に、独立した主権国家であるということの確認です。

最後は、

「そのように、EUのメンバーとしてよりも主権国家英国の国民としての存在を選んだ英国民ではあるが、決してそれがEUの未来への妨げになるようなことを求めているわけではない。むしろ、大きな負担から解放されることによって活性化される英国とEUの新たな友好関係の始まりにしたいのだ。」

メンバーではなくなるけれども、それは敵対するためではなく、普通の友好関係のはじまりとしたいということです。

まあ、EUとしてみれば社交辞令的に受け取らざるを得ないでしょうが、英国が主権国家である以上、仕方のないことかもしれません。

このように見てみると、英国にとって「Brexit」はまさにかれらの「本音」であるということです。

国家の運営責任を負っている各国のリーダーからすると、グレタさんの環境に関する主張は「もっとも」だけれども、「背に腹は代えられない」事情を無視することはできないというのが「本音」です。

しかし、その問題をいつまでも「背に腹は代えられない」事情によって解決できないままにしてしまうならば、近い将来地球は必ず破たんするという意味で、その「本音」は世界の「環境保護問題」のそれと全く同じ構図だと思います。