代表ブログ

小中学校の授業を5分短縮検討へ

2024年2月12日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

2024年2月10日の読売新聞の記事に小中学校の授業時間の変更に関するニュースを見つけました。

「文部科学省は小中学校の授業時間を見直し、学校の裁量を拡大する方向で検討を始める。授業時間を5分短くし、短縮分を各校が自由に使えるようにすることなどを想定している。文科省は次期学習指導要領への反映に向け、今年秋にも中央教育審議会に諮問する見通しだ。小中学校の授業時間は、学校教育法施行規則に『標準例』として示されている。現在は1コマあたり小学校45分、中学校50分で、文科省はこれを小中とも5分短縮して小学校40分、中学校45分に変更することなどを視野に入れている。変更されれば、1958年の規則明示後、初めてとなる。一方、年間の授業時間数は変えない方向だ。現在、小学校の4年以上と中学校は1015コマで、45分授業の小学校では年間約760時間、中学校は約845時間が授業に充てられている。授業が5分短くなれば、小学校、中学校ともに約85時間(5075分)の差が生まれ、これを各校が弾力的に運用できるようにする。背景には、子どもの学力や教育環境の地域間格差が広がっていることがある。各校が画一的な授業を横並びで実施しているだけでは対応が難しく、裁量拡大によって学校現場の創意工夫を促す狙いがある。思考力育成を目指した探究活動や、基礎学力定着のためのドリル学習など各校がそれぞれの実情に応じて指導に生かすことを文科省は期待する。」

この記事を読んだ時の私の感想は、「またか、文科省!」でした。

私はこのブログで、文科省が遂に実現をしてしまった「小学校英語教育の導入」についてずっと反対をしてきました。その最大の理由は、それを実現するための「準備」というものをほとんどせずに、現場のしかも英語教育に関する知見が全くないことを前提として採用された小学校教員の皆さんに「丸投げ」に近い状態で押し付けたことです。

英語は日本人の小学生にとっては「馴染みのない」ものです。

だからこそ、学習者に初めて触れさせるときには教える側がどうしたらそれをスムーズに導入できるかという深い専門知識を持ち、熟練していることが絶対的に必要なのです。

それを、「ただやれ!」では、英語に対する「恐怖」と「混乱」を植え付けさせ、「英語嫌い」を作る時期を早めるだけになってしまうことを危惧しているのです。

今回のこの時間短縮の記事の中にも、次の表現を見つけ、「小学校英語教育の導入」と同じ「丸投げ」のにおいを感じてしまいました。

「各校が画一的な授業を横並びで実施しているだけでは対応が難しく、裁量拡大によって学校現場の創意工夫を促す狙いがある。思考力育成を目指した探究活動や、基礎学力定着のためのドリル学習など各校がそれぞれの実情に応じて指導に生かすことを文科省は期待する。」

その議論を始めるのはいいけれど、各教員がそもそも教師になった時点で求められていなかった「学校現場の創意工夫」の仕方に関する何かしらの研修機会を彼らに提供するコストの負担を考えているのか。

そんなことは全く無視して、学校現場に「金は出さないがやれ!」と丸投げするだけならば、結果は容易に推測できます。

 

◆この記事をチェックした方はこれらの記事もチェックしています◆