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メタバースはオワコンなのか

2023年5月16日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

最近ではこのブログでもご紹介したようにテクノロジーの話題はほとんどが「ChatGPT関連」一色といった感じです。

この話が出るまではあのフェイスブックが社名を「Meta」に変更するほど「メタバース」が圧倒的な存在感を放っていたわけで、この産業のドッグイヤーっぷりには圧倒されるばかりです。

ただ、私にはこの「メタバース」の存在感のジェットコースターのような変化には「既視感」があります。そう、そのころにはまだ「メタバース」という名称は一般的にはなかったと思うのですが、メタバースの先駆けともいえる「セカンドライフ」の盛者必衰っぷりを確認しておきます。

「セカンドライフとはコンピューターの中に構築された3次元の仮想空間(メタバース)である。2007年頃から日本でも主に宣伝媒体としてのビジネス活用、リアルマネートレード、土地運用などによる一攫千金などの話題が中心となり、大きなブームへと発展するが、早くも2007年末頃には、各種メディアにおいて、セカンドライフが広く定着する事はあり得ないと総括されるに至り、マーケティングの効果を上げられなくなった参入企業の撤退が相次ぎ、不況の影響もあって2009年3月頃までには殆どが撤退した。」

今回の「メタバース」についても「Chat GPT」へ一気に関心が移ってしまったことで、前回の「セカンドライフ」と同じような流れになるのではないかと個人的に心配していたところ、「メタバースとセカンドライフの違い」というネット記事を見つけました。

この記事の著者は、「メタバースがオワコンだ」という考えには与みせず、今回のメタバースは今後も順調に成長していくはずだという主張をしているのですが、その理由を以下にまとめてみます。

そもそもセカンドライフがブームとなったのは、「仮想空間におけるイベント」「暗号資産取引」「仮想空間の不動産売買」という全く新しい概念に対する大いなる期待があったからでした。

しかし、セカンドライフの時代にはそれらを「安定」して、また「安全」に運営することができなかったことから、社会のインフラとして定着することはありませんでした。

まず、「安定」に関していえば、安定的なネット環境の実現が難しかったということです。具体的には、セカンドライフが利用できたのは、Windowsパソコンのみでネット回線も遅いものであったのに対し、現在ではスマホやVRゴーグルなどさまざまなデバイスが存在し、光回線・5Gの普及によってどこからでも簡単に仮想空間にアクセスできる環境が整っているため、状況が当時と今では全く異なります。

そして、「安全」については、今では豊富になった「ブロックチェーン」「NFT」というようなセキュリティー面を支えるテクノロジーが確立されていませんでした。

記事には書かれていませんでしたが、しかも今後は、「Chat GPT」の技術も当然のことながらメタバースの中に組み込まれていくでしょうし、その存在は確実にプラスに働くことになると思われます。

とはいえ、根っからのアナログ人間である私は、仮想空間の中でイベントに参加したり、仮想空間の不動産取引をすることの意味合いを感覚的に理解することができないので、上記のような条件が整っているとしても「今後も順調に成長していく」という著者の見立てを鵜呑みにすることはできません。

しかも、メタバースが圧倒的な存在感を放っている時には、MetaのみならずNike、adidas、GUCCI、マイクロソフト、ディズニーなど世界中の名だたる企業がメタバースに参入する意思を表明していたわけですが、Metaは2023年3月までの間に2万人以上レイオフをすると発表し、また同じく2023年3月にディズニーもメタバース部門の閉鎖を、そしてマイクロソフトもVRプラットフォームの廃止を発表しており、直近の現状ではその先行きが怪しくなっていることは確かです。

「メタバース」の未来がどちらであったとしても、「ChatGPT」と合わせて人類史のターニングポイントになるかもしれない技術革新の行く先をリアルタイムで見られる時代に生きている私たちは幸せだと思うべきなのでしょう。

 

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