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中学校教科書も紙とデジタルの「融合」加速

2024年3月23日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

「教育のデジタル化」が確実に進展しているようです。

このブログでこのテーマに最後に触れたのが2021年7月19日の「GIGAスクール構想」の記事でした。

昨日(2024年3月22日)、この「GIGAスクール構想」の進捗に関する記事が読売新聞のウェブ版に見つけましたので記事を要約します。

「文部科学省は22日、2025年度から中学校で使われる教科書の検定結果を公表した。QRコードを学習用端末で読み取って利用できるデジタル教材が大幅に増える一方、掲載内容のQRコード先への移行が進んた。全国の小中学生に配備された1人1台の学習用端末を踏まえたデジタル重視の構成が、小学校に続き、中学校教科書にも広がった。文科省はデジタル教科書を今年4月の小学5年~中学3年の『英語』から順次、他の教科にも広げることにしており、検定に合格した教科書は、デジタル教科書を意識した作りとなった。QRコードのリンク先には、英語の発音をAIが3段階で判定する機能や、チャットに理科の質問をすると教科書の記述を教えてくれるアドバイザーなどAIを使った教材も目立った。従来、紙の教科書に掲載していた問題や資料をデジタル教材に移行した影響で、国語や数学、理科、道徳などの平均ページ数が前回から数%減った。複数の主要教科の平均ページ数が減るのは、学習内容を削減した『ゆとり教育』の路線が打ち出された後の00年度検定以来だ。」

前出の記事において、「このGIGAスクール構想の本命は、2024年度のデジタル教科書の本格導入、それは紙の教科書の廃止とセットとなるかは不明」と書いていましたが、この記事によれば、デジタル教科書の導入が2024年に「紙の教科書の廃止とセット」で行われることはないということが分かります。

以下、当該記事に関する詳細な議論をしたいと思うのですが、その前に私の古いブログ記事を二つご紹介させてください。

① 2006年2月12日の「あなたは紙派?それとも電子派?

② 2014年2月26日の「紙の辞書と電子辞書

一つ目は今から18年も前なので、「私は電子辞書を一度も使ったことがない」とか、ものすごく化石人間みたいなことを言っていて自分自身でもドン引きしてしまいそうになるぐらい隔世の感がありますが、10年前の二つ目の内容については、今でも私の変わらぬ持論として、プリントアウトしてランゲッジ・ヴィレッジの館内で生徒さんに見られるようにしています。

その持論とは、「辞書を使う」ことの目的を「検索する」と「記憶する」という二つの行為に分類して、そのどちらを重要視するのかということこそが、この問題の根幹であるということでした。(詳細は記事をご覧ください。)

しかも、この議論が10年前のものでありながらも決して時代遅れのものでないということを、ちょうど先日(2024年3月22日)、偶然視聴していたニュースピックスの「デジタル教育は子供を救うか?」という動画番組において、「ITデバイス」と「紙の辞書」における記憶の定着の違いに関する科学的調査(東北大学加齢医学研究所助教の榊浩平氏)の結果が証明してくれており、私の確信はより一層強まりました。

そうなると、今回のニュースに対して私が否定的な見方をしているかと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。

それはこのニュースによって、「GIGAスクール構想」の記事の中で書いた次の内容を実現できるという期待を持つことができたからです。

「私自身の感覚で言えば、紙の本を読んだときと電子書籍を読んだときの内容が頭に入ってくるスムーズさで言うと、圧倒的に『紙』が有利だと思っています。ただ同時に、紙の教材が次のような点で圧倒的に不利な点も経験しています。それは学生時代に世界史、特に文化史として、古代インドの大叙事詩『ラーマーヤナ』とか『マハーバーラタ』などが山川出版の用語集に名前と簡単な説明のみ掲載されているのですが、これが全く頭に入らないのです。(笑)ただただ、大学受験のためだけに『古代インドの大叙事詩=ラーマーヤナ、マハーバーラタ』などと丸暗記をするという意味不明なことをしなければいけなかったわけです。ですが、当時にデジタル教科書が存在していて、『ラーマーヤナ』とか『マハーバーラタ』のリンクをクリックしたら、実際の中身がみられるような教材になっていたら、この二つの言葉をどれだけ有意義な知識として頭に入れることができただろうと思います。」

子供たちの教育において、紙とデジタルの「融合」が進められるということは非常に好ましい方向性だと評価したいと思います。

 

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