秘術としての文法 #232
2020年2月2日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 秘術としての文法
【著者】 渡部 昇一
【出版社】 大修館書店
【価格】 ¥1300 + 税
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英語教育に厳しさと情熱をもって長年取り組まれた上智大学の故渡部昇一教授らしい非常に重厚な内容の本です。
ただ、その難解な文章でつづられた本書の冒頭には著者らしからぬ以下のような非常に軽快な文章があったので、それにつられて最後まで読み込むことができました。
「グラマー・ガールという言葉が流行してきたが、そのglamour(魅力、魔力)という英語がgrammarが訛ってできた単語だということを聴いた時、『それに違いない』と思った。もちろん、grammarは『文法』の意味であるが、中世においてはこれが、gramaryeあるいはgramaryとなって『魔法』を意味するようになった。『文法』という怪しげなものを学ぶと、何かウジャウジャ書き連ねてある書物というものが読めるということは中世の文盲の人たちには不思議で仕方なかったのである。『文法』はとりもなおさず、『魔法』と感じられたのであった。」
「魔法」はともかくとして「グラマー(魅力)」の語源となっていたということであるならば、現代の
中学生たちがこの「文法」を避ける理由などあるはずありません。
それが「グラマー」な対象なら、少なくとも男子中学生は隠れてでも見たくなるはずなのだから。(笑)